アインHDが「さくら薬局」を1000億円超で買収へ

◆アインHDの戦略的M&Aと今後の展望

アインHDは、調剤薬局業界で長年トップを走る企業。2024年4月期の売上高は3575億円と、業界随一の規模を誇ります。今回買収されるクラフトは、2024年3月期に1536億円の売上高を上げており、両社の単純合算で5000億円を超える巨大勢力となります。

クラフトは2022年に事業再生ADRを申請し、日本産業推進機構(NSSK)のもとで経営再建を進めていました。今回の買収により、クラフトの再建も加速し、アインHDのさらなる規模拡大にもつながります。

アインHDは今後10年間でM&Aを含む成長投資に4000億円を投入する計画を掲げており、調剤薬局の新規出店の7割をM&Aで進める方針です。最終的には、売上高7000億円を目指すとしています。

 

◆ 業界全体で広がる再編の動き

調剤薬局業界では、大手ドラッグストアによる再編も進んでいます。スギホールディングスは「阪神調剤薬局」を展開するI&Hを買収。ウエルシアとツルハも2025年中の経営統合を予定しており、調剤薬局売上高で2位に浮上する見込みです。

一方、日本調剤は現在、株式の非公開化に向けた入札手続きを進めています。業界各社がスケールメリットを追求し、生き残りを図るなか、競争はますます激化しています。

 

◆ ネット通販との競争と薬局の未来

調剤薬局業界の脅威は、業界内の競争だけではありません。米アマゾンが2024年に日本で「アマゾン・ファーマシー」を開始。スマートフォンでの服薬指導と処方薬配送サービスを展開しており、利便性と価格競争力で薬局業界を揺るがす存在です。

電子処方箋やオンライン服薬指導など、デジタル化が進むなかで、薬局は単なる「薬を渡す場所」ではなく、地域の健康支援拠点としての役割をより強く求められるようになっています。

 

◆ 中小薬局にとっての今後の選択肢

こうした激変のなかで、規模の小さい調剤薬局にとっては、ますます経営が難しくなっていくことが予想されます。人材確保、医薬品仕入れ、ICT対応など、単独での対応には限界があるのが実情です。

そのような背景から、近年はM&Aによって地域薬局が大手のグループに加わる動きも増えています。「今すぐ売却」という形ではなくても、提携や事業承継を視野に入れた準備は、経営者にとって重要な経営戦略となる時代です。

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